メイクで広がる笑顔と会話
~介護施設でのフォトセッション~
私たちは毎月、介護施設で「メイク&フォトセッション」というレクリエーションを行っています。
最初は「恥ずかしいからいいわよ」と遠慮される方も多いのですが、鏡に映った自分の姿を見ると
「わぁ~、きれい!」
と笑顔がはじける瞬間があります。




その表情に、スタッフの方も驚かれることもしばしば。普段とは違う華やかな姿に「えっ、こんなにきれいだったんですね!」と声が上がることもあります。
メイクで引き出される思い出と個性
お化粧をすると、若い頃のお話が自然と飛び出してきます。
「昔はよく口紅をつけて出かけたのよ」
「学生時代は、茶色のアイラインが流行ってね」

カメラを向けると、少し照れながらもポーズを取ってくださり、最後には「家に帰ったら家族に見せるのが楽しみ」と嬉しそうに話されます。
高齢者のお肌に合わせた工夫
高齢の方のお肌は「しわ」や「たるみ」が増えてくるため、そのままのメイクでは崩れやすくなります。そこで、
- 最初にリップや肌全体にしっかり保湿
- 髪の色に合わせた眉メイクで自然な印象に
- アイシャドウは服の色や肌色に合わせてこちらで選択(ご希望があれば取り入れ)
といった工夫をしています。こうした少しの調整で仕上がりの印象がぐっと変わり、「メイクって本当に魔法のようですね」と言っていただけることもあります。
メイクがもたらす良い影響
不思議なことに、メイクが仕上がると皆さんの目の輝きが違ってきます。
たくさん会話をしたり、笑ったり、普段より表情も豊かに。
医学的にも、「喜びや笑顔は脳への血流を良くし、認知機能の維持にもつながる」と報告されています(※参考:笑いと脳血流の研究、日本認知症学会など)。
つまりメイクは、単なる美容ではなく“心と脳の健康ケア”にもなるのです。

おわりに
「きれいになる喜び」は年齢に関係なく、誰にとっても心を前向きにしてくれます。
介護施設でのメイク&フォトセッションを通して、これからもたくさんの笑顔と会話を引き出していきたいと思います。



